医療の現場での「レクリエーション」は2つの側面が考えられます。
まず、1つ目は疾患や障害を抱える患者の身体面と精神面のニーズを「レクリエーション」で補う「レクリエーション療法」が考えられます。具体的には「手芸」「音楽」「動物とのふれあい」「スポーツ」「演劇」などが、「レクリエーション療法」の手段として使われています。
例えば、脳梗塞で半身不随の患者の場合、「手芸」を行うことで不自由な手の機能訓練になります。また、抗癌剤治療を受けている癌患者の副作用の苦痛を和らげるために、「音楽鑑賞」や「演劇鑑賞」が行われている病院は多いのです。更に、精神疾患や認知症の患者が「動物とのふれあい」や「音楽」を通して症状が和らぐことが実証されています。
そして、「レクリエーション」のもう1つの効果は息抜きやリフレッシュ効果です。例えば、高齢者施設に於いては、様々な「レクリエーション」を通じて高齢者の単調な生活にアクセントを付けることが行われています。
医療の現場でのもう1つの「レクリエーション」は、医師・看護師・ヘルパー・検査技師・事務スタッフなどの病院の医療スタッフのための「レクリエーション」です。
現在、大病院に於いても中小病院に於いても病院経営は楽ではありません。その結果、医師や看護師を始めとする病院スタッフの勤務状況は非常にタイトになっています。しかも、患者の命を預かる病院スタッフの精神的なストレスは少なくありません。従って、病院スタッフの肉体的・精神的ストレスは他の職業に比べて非常に高いと言えます。
そこで、最近、病院内のワークバランスを重視する病院が増えており、勤務時間や残業時間のワークバランスは勿論ですが医師の学会や研修会のスケジュールなども含めた柔軟な勤務体制作りが急務となっています。
そして、その様な病院内のワークバランスを維持するために、病院スタッフの「レクリエーション」が効果を上げています。
つまり、病院スタッフを対象にした「レクリエーション」を行うことで、少しでも病院スタッフのストレスを減らす努力がなされているのです。