認知症にはレクリエーションが有効

認知症にはレクリエーションが有効

認知症レクリエーションのキーポイント

認知症レクリエーションのキーポイント 認知症の症状が「レクリエーション」で緩和されることは、既に、医療現場で広く知られていることです。そのため、医療の現場や介護の現場では、認知症患者のための様々な「レクリエーション」のメニューが工夫されています。
只、認知症患者のために「レクリエーション」を行う場合は、いくつかの基本的なポイントを押さえる必要があります。これらの基本的なポイントを押さえないと、認知症患者にとっては「レクリエーション」が逆効果になり苦痛になることもあるからです。
そこで、認知症の「レクリエーション」の基本的なポイントの1つ目は、能力が近い6人〜8人程度の小グループに分けて「レクリエーション」を行うことです。認知症患者は理解力や運動能力の個人差が一般の高齢者よりも大きくなっているからです。
従って、特に、理解力や運動能力が著しく劣っていると思われる患者には、個別対応の「レクリエーション」を考えなければなりません。
認知症の「レクリエーション」の基本的なポイントの2つ目は、集中力が維持される15分程度を1つの区切りにすることです。過去の経験則で15分以上継続して行った場合、「レクリエーション」が逆効果になることが報告されています。
認知症の「レクリエーション」の基本的なポイントの3つ目は、「レクリエーション」はシンプルな内容で難し過ぎず易し過ぎないことです。参加者がある程度の緊張感を持って参加することが大事ですが、内容が難し過ぎて理解できなくては意味がありません。
認知症の「レクリエーション」の基本的なポイントの4つ目は、同じ顔ぶれで顔馴染みの関係を作ることです。同じ顔ぶれで顔馴染みの関係を作ることで、患者相互の会話がはずみ「レクリエーション」の効果が高まります。
認知症の「レクリエーション」の基本的なポイントの5つ目は、懐かしい歌を歌う様な患者が歩んできた過去を大事にする企画です。つまり、患者が生きてきた時代や出身地や大切に思ってきたことを「レクリエーション」に取り入れることで、認知症の症状が改善されることが解かっているからです。


個別対応型の認知症レクリエーション

認知症患者の理解力や運動能力などの症状によって、グループでの「レクリエーション」が難しい患者の場合は個別対応型の「レクリエーション」を行います。
その時に大事なことは患者が歩んできた道を知ることで、患者が長く住んでいた場所や過去の職業や趣味・大切にしていたことなどを参考にした「レクリエーション」を考えることです。例えば、患者が歩んできた過去に関する「おしゃべり」をすることも、個別対応型の「レクリエーション」の1つなのです。また、患者が歩んできた過去に関する雑誌を一緒に見ることや、患者のアルバムを一緒に見ることも「レクリエーション」の1つと考えられています。
そして、患者とそれらのことを話しながら、ゆっくり散歩することも個別対応型の「レクリエーション」の1つなのです。つまり、個別対応型の「レクリエーション」は、患者とゆっくりとした時間を共有しながら過去を振り返ることが基本です。


集団対応型の認知症レクリエーション

集団対応型の認知症レクリエーション 集団対応型の認知症「レクリエーション」は認知症「レクリエーション」のキーポイントを押さえながら短時間に楽しく行うことが重要で、基本的には15分程度を1つの単位と考えると良いでしょう。
具体的に医療や介護の現場で行われている集団対応型の認知症「レクリエーション」には、次の様な「レクリエーション」項目があります。

  • @ からだの体操(理解力や運動能力などの症状によって独自の体操を行う方が良い)
  • A 運動ゲーム(風船バレーやボーリング・ピンポンなどの簡単な運動)
  • B あたまの体操(クイズ・パズル・トランプ・すごろく)
  • C カラオケや合唱(懐かしの歌)
  • D 季節の行事(花見・運動会・花火・遠足など)
  • E 料理(おやつ作りや弁当作りなど)
  • F 手芸や工芸(編み物・プラモデルなど)
  • G 園芸や動物の飼育(花壇の手入れや小動物の飼育など)