職場の「レクリエーション」の目的は具体的にはいくつか考えられますが、究極的にはその職場の仕事上の運営にプラスになることが目的であることは言うまでもないことです。
例えば、支店などの営業現場での「レクリエーション」の究極的な目的は支店の売上をアップすることですし、工場などの職場の「レクリエーション」の究極の目的は社員の親睦を深めチームワークを図ることが考えられます。また、役所の職場での「レクリエーション」の目的は、職員相互のコミュニケーションを改善し役所の業務をスムーズに行うことに他なりません。
それらの究極の目的を達成するために様々な「レクリエーション」が企画されているのです。その結果、従業員や職員の労働による疲労やストレスからの回復が図られ、職場の人間関係やコミュニケーションが改善され、従業員や職員の家族の親睦や慰労がなされているのです。
従って、職場での日常的な「レクリエーション」活動に於いては、常に、「レクリエーション」の究極的な目的を見失わないことが大事です。
つまり、職場の「レクリエーション」の目的は遊びや息抜きが目的ではありませんから、究極的な目的を見失うと大事な余暇の時間を割き費用を掛けて何のために職場での「レクリエーション」活動を行っているのか解からなくなります。
最近の職場のレクリエーションの傾向は「安・近・短」の傾向が更に強まっています。
つまり、費用が安く、職場で行われるか職場に近い場所で短時間に行われる「レクリエーション」が好まれています。
つまり、一昔前の社員旅行が無くなり、社員旅行の代わりに食事会が増えています。また、1日掛かりの社内運動会の代わりに、2時間程度のボーリング大会が行われたりしています。
振り返りますと一昔前までは多くの職場で「レクリエーション」のために給料天引きで毎月の積立を行い、年に1回か2回の社員旅行が行われていました。また、社員旅行とは別に、社内運動会やスポーツイベントが行われていました。つまり、費用と時間を掛けた職場の「レクリエーション」が企画され社員や社員の家族までもが参加していました。
しかし、最近の職場の「レクリエーション」は、極力、費用と時間を掛けない「レクリエーション」に知恵を絞っている様に見えます。
の多様化です。近年、雇用形態の多様化によって企業の終身雇用制が失われ、職場には正社員・契約社員・派遣社員・パート社員・アルバイト社員などの雇用形態の異なる社員が増えています。
一昔前までは、企業の社員の大部分は終身雇用の正社員で、企業に対する従属意識は高く価値観も均一でした。その様な時代に於いては、職場の「レクリエーション」に対する意識も高く仕事の延長線上としての「レクリエーション」への参加意識は旺盛でした。
しかし、近年の職場風土は社員相互の価値観の多様化から、余暇に対する価値観も大きく変化しています。例えば、昼食の摂り方にも変化が見えます。一昔前までは職場の仲間が連れ立って昼食に行きましたが、現在は弁当持参の者・コンビニ弁当の者・1人で出掛ける者など様々です。
また、アフター5の飲み会の状況も変化しています。以前は上司に誘われれば断る社員は殆どいませんでしたが、最近は気を使って誘う上司も少なくなっています。
その結果、一昔前の様に時間とコストを注ぎ込んで、職場の「レクリエーション」を企画する様な雰囲気が少なくなっていると言えます。アフター5の職場の飲み会にも参加しない社員が、社員旅行や休日を利用した職場の「レクリエーション」に参加する筈はないのです。
従って、今後は現在の職場環境や職場風土に適した、新しい職場の「レクリエーション」を考える必要があると言えます。